折板屋根・スレート屋根からの雨漏りにお困りの方へ
「屋根からの雨漏り」
よくある原因・対策・関連工事・観察するポイントについて
よくある原因
- 屋根材を固定している「ボルト」
- ダクトやトップライトなどの「屋根材開口部」
- 室外機など設備の「固定部」
上記の部分は屋根材を傷める原因となり、屋根材を劣化させ雨漏りにつながります。
また各所の取り合い部分は止水のためのシーリングやパッキンが充填されておりますが
それら自体が劣化して雨漏りにつながることが多いです。
上記の「よくある原因」は構造上やむをえない弱点ですので
板金の立ち上げ・笠木の設置・捨てシーリング・重ね代の確保・専用金具や止水キャップの使用
などで弱点を補っております。
しかし屋根材本体の耐用年数15年~25年(材料による)にくらべると
素材や条件によって8年~10年程度で劣化してしまうケースもあり、防水という観点からは弱点となります。
対策
やはり一番簡単で安価なのはシーリングの打ち直し
雨漏り箇所が限定的で明確である場合は
シーリングの打ち直しによって安価かつ短時間で費用対効果の高い対策が可能ですが
シーリングの打ち直しで対応できない場合もあります。
シーリングの打ち直しで対応できない状況はというと
- 屋根面全体の劣化(潮風の当たる地域・降雨量の多い地域・寒暖差の大きい地域など)
- 築年数が長く屋根材自体の耐用年数が過ぎている(築30年以上補修をしていない)
- プレス機やクレーンを設置している工場・強風にさらされやすい立地(屋根が振動している)
- 明らかな亀裂や穴がある
こういった状況ではシーリングのみでの対策では不十分です。
※シーリングは樹脂であるため紫外線や極端な温度差によって劣化しやすく、屋根の動きに追従できずに切れてしまうこともありますので屋根材よりも短い期間でのメンテナンスが必要です。
ではどのような対策をとるかというと
- 耐候性の高い塗装をする
- 屋根の葺き替え(ふきかえ)
- 屋根の一部もしくは全部のカバー工法 などが挙げられます
美観の観点、耐候性向上、遮熱性能アップなど
予算や狙いたい効果に合わせて適切な工法を施すことが重要です。
関連工事
雨漏り対策の関連工事を紹介します。
- 塗装工事
主に折板屋根に施工します。塗膜自体に止水性は期待できませんが、屋根及び屋根に付随する部材を保護します。
※見た目をきれいにする目的以外でスレート屋根の塗装はお勧めできません - 防水工事
シーリングの施工も防水工事に該当しますが、それ以外に
塗膜防水・シート防水・アスファルト防水などがコンクリート製の屋根に施工されています - 屋根葺き替え
既存の屋根材を取り払って新しい屋根材を葺き直す工事です。
屋根の半分以上を葺き替える場合は「大規模修繕」に該当し
建築確認申請を提出する必要があります。
スレート屋根については製造年によってアスベストが含まれているので
施工及び処分には注意が必要です。 - カバー工法
既存の屋根の上に新たに屋根を被せる(カバーする)工法です。
耐久性の低下した屋根を一新することができます。
屋根全面をカバーしたとしても「大規模修繕」に該当せず建築確認申請の提出が不要ですが、屋根の総重量が増えるため建屋の耐震性などを考慮する必要があります。 - 仮設工事
屋根へのアクセスを確保したり、安全性確保のために不可欠です。
建屋全周に足場を掛ける必要がある場合にはついでに外壁の点検や改修を行うこともあります。
観察するポイント
雨漏りに対してすぐにでも対策をしたいこともあるかと思いますが
現地調査をしても雨漏り箇所が特定できない時があります。
雨漏りを発見したときは「いつ・どこで・どのように」を気にしてみてください。
・いつ
○月○日○○時ごろ
雨が降り始めた直後
雨が降ってから1時間後の〇〇時ごろ
しとしと雨が本降りになってすぐ など
・どこで
柱のすぐそばで
トップライトの直下で
屋根の一番高いところから
屋根の一番低いところの壁の境目から など
・どのように
雨量に関係なくポタポタと
じんわりとにじむように など
季節・風向・雨量などの条件が重なって雨漏りにつながることもありますので
状況をなるべく正確に伝えることで見積もりや施工をスムーズに行うことができます。
※雨天で屋根の状況を観察するときは屋根には上らず
必ず建屋内から行ってください。
滑落したり屋根を踏み抜く可能性があり大変危険です。
また、晴れていたとしてもコケが生えていたり夜露や霜が残っていることがあり
同様に滑落の危険があります。